登場人物
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■外伝三「赤い臭い」の登場人物

イラストレーション:ムラタ様

■ルンヌ■
龍の人(バルマ龍人種)・三十八歳(人間の十二歳前後)・女

 龍人族独特の浅黒い肌に、エメラルド色の瞳と銀の美髪を持つ美少女。バルモート本土の西に浮かぶ「龍の島」の王族。「巫女姫」にして、君主でもある。
 彼らは「龍の人」、あるいは「龍人族」と呼ばれる一族で、額に角を持つものが多く、とくに支配階級には必須な特徴でもある。角が無い者は、本土の「ヒト」と同程度の蛮族とみなされ、社会的な地位も低い。
 長寿な龍の人の中でも王族の血脈はさらに長生きで、一般的な龍の人がヒトの三倍程度の寿命なのに対し、王族は五倍以上の長寿を誇る。
 巫女姫は、龍の島そのものから神託を受け、まじないをするのが本来の役割で、君主としての立場は持ち合わせていない。龍の人の君主は「龍王」であり、代々屈強な男王が務めてきた。しかし、先代の龍王が急逝し跡取りの男児がいなかったことから、その娘として暫定的にルンヌが支配者の座に就いた。つまり今の立場は、男児王族が生まれるまでの暫定的な女王ということになる。
 気性は激しく短気な面もあるが、自分が大事と認めるものには寛容すぎるほどの態度を示す。とりわけ、お気に入りの火龍「メラソー」には、自身以上に愛を傾ける。
 バルモート本土(龍の人からすれば蛮島)の人間に関しては、とくにそれほど興味を持っていない。また「ある男」との約束で、本土から生け贄として人間をさらうことはやめている。
 身長149センチ、体重38キロ、3サイズは74-52-76。子供から大人への過渡期にさしかかる体つき。陰毛は生えていない。胸の小ささも含め、同世代の娘たちに比して、発育の悪さが本人にとって最大のコンプレックスである。王族は、寿命そのものが長いので、成長が遅いのは仕方がないことなのだが……。

■アスタンブ■
龍の人(バルマ龍人種)・年齢不詳(三百歳以上)・男

 龍の都「ブラヌメル」にある「龍の宮殿」で、王族に仕える侍従長。大大臣も兼ねる。
 背骨の折れ曲がった上体を樫の杖で支える老人。長く垂れた鬚と白目だけの目が印象的で、口数は多いのだが、表情に乏しい。貴族だけあって、立派な角を額に生やしてもいる。まだ幼い(といってもヒトに比べれば充分に加齢しているが)ルンヌのお側役も兼ねているため、発言力も大きく、権力もそれに同様。

■ラチェ■
龍の人(バルマ龍人種)・四十歳(人間の二十六歳前後)・女

 龍の宮殿で巫女姫ルンヌに仕える女官の長。灰色の長髪をアップにまとめた、すっきりとした顔つきの美女。涼しい表情が知性的な印象を与えるが、それに対して身体は凹凸に恵まれた熟れた魅力を持つ。湯女から雑役全般までをこなす才女で、礼法から学術、あるいは閨房までと、その得意分野は幅広い。

■メラソー■
火龍・年齢不詳(百歳前後と思われる)・男

 龍の島に三体いる「直系」と呼ばれる火龍の一で、正式名称は「十二代目メラソー」。その名のとおり、代々世襲されてきた名前で、今のメラソーは、生まれて百年前後の幼龍である。しかし幼龍とはいえ、直系と呼ばれる血族の身体的性能は凄まじく、傍系や無名、あるいは野良と称される種の成獣クラスに匹敵するだけの戦闘能力を保持している。
 幼く拙い巫女姫ルンヌを認めてくれている唯一の直系龍でもあり、それだけにルンヌから絶大な信頼と愛情を受けている。
 体長十五メートル以上、体重約十八トン。飛行時、揚力の発生に翼を使って羽ばたくのだが、錬金物理学、および錬金生物学による試算では、それでは飛行どころか浮上すら不可能と考えられている。つまり、飛ぶ、炎を吐くなどの龍の行動には、なにか特殊な力が働いていて、それは『レベラ』と呼ばれる人外の戦闘能力をもった超越人類たちと同じく、存在として常識外の能力を保持しているせいだと考えられている。

■中年の砲塔長■
人間(バルマ草原人種)・年齢不詳(四十代前半?)・男

 「人類史上最強」の謳い文句を掲げた最新鋭蒸気戦艦『アクスース号』の砲小隊々長。規則正しく刈り込まれた鬚面の海軍の男。初陣に臨む同艦に配属されるが……。