及川恒平 『風の日コンサート』
櫻や 2001年 9月8日
 開場6:30 開演7:00
歌とギター/及川恒平

櫻やの全貌(一社駅から結構歩いた〜)
この2階部分がライブ会場です。


入口付近

 本屋さんに池澤夏樹さんの椋鳥日記を探しに行ったのがロスタイムになって、結局櫻やさんに着いたのは4時40分になってしまった・・・(-_-;)。汗をかいてヤブ蚊に悩まされている所へ恒平さん登場(5時5分頃)。恒平さんはグレイのTシャツ・短パン・帽子・リュックというスポーツ選手のような若々しい服装。「おっ!」という顔をして恒平さんは櫻やさんの中に消えて行きました。
 着いたと思ったらすぐにリハーサル、いろんな曲が聞こえてくる。「シルクロード」「天のしずく」「私の家」などなど。

 待っている間に池澤夏樹さんの「南の島のティオ」を読んでしまって、途中で買った「椋鳥通信」ををパラパラと読み始める。
 北谷の恐竜化石発掘現場の見学、赤兎山に登ったこと、僻村塾のことなど身近な話題が結構あった。

 リハーサルの途中で恒平さんは、新しいCDのレイアウトができたと見せてくださった。表裏は今までと同じ野坂さんのほのぼのとした絵。


階段の途中に掛けてあった面


階段の正面にあった照明


櫻やさんの入り口、水引草の白い花が珍しかった。


 6時頃中に入れていただく。しかしまだ誰も来られず・・・(-_-;)。
 今回はスピーカーを4つ配置したとのこと。恒平さんお勧めの席を教えていただく。ついでに4人分しっかり場所を確保。
 それから厚かましく中の写真を撮らせていただく。さすがにおもしろい形の花器に、いろんな花がさりげなく生けてある。

 本来は左手の高くなっている所に陶器が展示してあるとか。(下は棚)そこにお座布団をひいて座ることになる。
 確保したのは左のピンクのお座布団が見えているあたり。
 恒平さんは機材の調整中かな?席は全部で24しかなかった。 

プログラム

前座  キングサーモンのいる島
     プカプカ
     天のしずく
 

コンサート
 

   1.風の日〜2.金属メルヘン
   〜3.風が吹きぬけて
   4.ボーイハント〜5.雨が空から降れば
   〜6.悲しきクラウン〜7.私の家
   〜8.君の窓から〜9.ガラスの言葉
   〜10.悲しき街角〜11.もう一つの世界
   12.歌よ

   休憩

   13.ホワン・ポウエルの街〜14.思い出の瞳
   〜15.黄昏のビギン
   16.長い歌〜17.思い出のソレンツァラ
   18.夏・二人で〜19.ジェルソミーナ
   20.さみだれ川〜21.川のまつり
   〜22.引き潮

    アンコール

    面影橋から


 最初にノコノコさん、次にrikaさんが到着。

 7時にまだならないのに恒平さんは前座ということで「キングサーモンのいる島」を、みんなで歌詞を間違えながらう1番を歌う。
 恒平さんは出だしのイントロを忘れていて、聞きに来られていた方に教えてもらったりしていた。
 「プカプカ」の途中からきららさんがやっと到着した。
  

 「天のしずく」は、児童合唱団のための「海や山の神様たち」というアルバムの中の曲で、当時芸大の院生だった坂本龍一さんを、不良っぽい面白い学生がいるということで作曲を依頼したとか。どんな経緯で知り合ったのかちょっと興味があるところだったりして・・・。
 「海や山の神様たち」の中の「天の滴」はもう少し早いテンポだが、恒平さんはアルペジオの伴奏でゆったりした歌い方で歌っている。
 ♪森や湖が歌っている 静かに静かにたゆとうように 銀の滴ふる♪だからやっぱり恒平さんのリズムでいいんだと思う。
 恒平さんの口から♪銀の滴 ふる ふる ふる コタンの屋根に♪の、コタンという響きが懐かしい気がするのは何故だろう?
 小学生の頃に読んだアイヌの伝説が浮かんでくるような気がするのは・・・。
 蕗の下に住むという神様コロボックルのお話や、火祭りの神に捧げる熊の心臓の色、たき火の赤い炎が揺れる風景が浮かんでくる。
 アイヌという言葉は、今は遠い言葉になってしまっているが、子どもの頃はもっと身近な言葉だったような気がする。
 「海や山の神様たち」のアルバムの中で、「天のしずく」が一番いい曲だと思う。恒平さんも坂本らしくない曲だと言っていた。


 1.風の日〜2.金属メルヘン〜3.風が吹きぬけて

  「風の日」はルノアールの雲の中に納められている曲。
  静かな曲から始まって、「金属メルヘン」のギターのコードストロークの規則正しいカットされた音を聞きながら ♪金色の小石がありました♪ のメロディーラインは、何度聞いても不思議な気持ちになる。
  「風が吹き抜けて」は僕のそばにいなさいのアルバムの中の曲。

拡大画面

 4.ボーイハント〜5.雨が空から降れば〜6.悲しきクラウン〜7.私の家

 ー僕らの年代には懐かしいアメリカンポップスを歌います。本来こういう歌を歌う歌手じゃないので・・・、ので何でしょうか?わかりませんが、手伝って歌ってもらってもいいですよー
 と言いながら恒平さんは、コニー・フランシスが歌った「ボーイ・ハント」を歌い始めた。

   私の大好きなやさしい面影 夢見る瞳よ
   今頃あの人は街から街へとさまよい歩くのか
   恋は知らず知らず心に咲く
   恋は若く若く楽しく咲く
   待ちましょうめぐりあえるその日を
   静かに静かに待ちましょう

 知らないと思ったが、恒平さんが歌い出したら、知っている曲だった・・・(-_-;)。

 「雨が空から降れば」は昨年10月にイギリス館で聞いた、あの時から1年近い日々が既に経過した。最近よく思うのは、星野道夫さんの言葉を借りれば「時の流れの不思議さ」。小室さんとおけいさんと恒平さんで聞いたあのハーモニーもよかったけれど、恒平さんのハミングを聴きながら、せつない気持ちになってしまった。今度恒平さんを聞けるのはいつなのだろうか?

 「悲しきクラウン」は、ニール・セダカの曲。

   あはれな king of crown おどけたマスクの陰にあふれる涙を
   かくして人を笑わせる 悲しいあの日恋に破れた日から
   胸は裂けてもいつも笑いを忘れず 
   今日も二人でおどけて人には見せぬ胸の内
   それが道化のつらい悲しい定めよ

 ニール・セダカは、「恋の片道切符」の記憶はあるのだが・・・(-_-;)。

 「私の家」 今回は音響がとってもよくて、ギターの音色もとってもよかった。恒平さんの歌声も響き渡っていて、狭い空間を全く意識しなかった。

 

    〜8.君の窓から〜9.ガラスの言葉〜10.悲しき街角〜11.もう一つの世界

  「砂に書いたラブレター」がプログラムに書かれていたが、急遽西岡恭蔵さんのデビューアルバム「ディランにて」の中から「君の窓から」を歌うことになった。

 ー西岡はほれっぽいやつでね、ジャズの安田みなみさんを黒テント(佐藤まことさんの)を見てかっこいい!と思って書いたらしい。「安田さんってそんな人なの?」と質問したけど「想像だよ」ー
 ー愛するより愛されなさい?愛されるより愛しなさい?どっちかわからないけど、ある人妻を好きになって家を借り、全部借りてあとは来てくださいって言うけど来てくれない、それはそうですよ。そういう人でね、いいやつです。西岡が書いた「君の窓から」ー

   君の窓から出ておいで 何もない街だけど
   二人だけでもいいから 夜が明けるまで踊ろ
   二人だけのパレードや夜更けの街がお似合いさ
   君の名前覚えている 冬遊子って言うんだろ
   貴族たちのサロンでは 時計の針も止まり
   乾いた笑い声があふれているけれど
   死にたいねなんて言わないで夜明けのバスに飛び乗ろう
   皆が待っている昨日の海へ行くんだよ
   君が捨てるのは15の時に教えられた
   家の中で泣いている子がよい子っていうたとえ話さ
   年老いた門番は 今夜もベッドに横たわり
   古い絆で君を引き止めるけれど 君の窓から出ておいで
   怖いことなんてないんだよ 太陽と共に消えてしまった
   昨日の海を見つければ 昨日の海を見つければ・・・

 「ガラスの言葉」
   これも最近のコンサートではよく聞く曲。

 「悲しき街角」
   デル・シャノンの歌った曲。

   街角で分かれたあの子はどこにいる
   いつも思い出しては一人さびしい日々を過ごす
   どうしてあの子と会えないのだろう
   どこにいてさえ探してるんだ
   WO・・・・・Wonder
   それは僕にはわからない my little run away

 これぞアメリカンポップスって曲で、恒平さんが若い頃こんな曲も歌っていたんだと思うと、ちょっと不思議。
 誰も自分の生まれた時代背景からは無縁でいることはできないのだから、ちっとも不思議じゃないはずなのに。
 wo・・・の裏声にひっくりかえる所がとってもチャーミングだった・・・(^_^)。
 

 「もう一つの世界」
  一転して、自分自身の青春時代の曲にタイムスリップしてしまった。「忘れたお話」の中のこの曲は、本当に何度聞いたことか。
  今でも時々引っ張り出して聞いているこのアルバムは、恒平さんのソロ活動の原点でもあると思う。
  感じやすい時代に出会ってしまった恒平さんからの影響は今思うと計り知れないものがある。こうやって文章を書くこともその一つといえる。
  恒平さんに出会わなかったら、たぶん全く違う自分がいることだろう。
  しなやかなみずみずしい感性の歌詞から、いろんな想像が広がって行った。
  やっぱり恒平さんは恒平さんだった。

 

    12.歌よ

   「歌よ」はみどりの蝉のアルバムの中の一番最後に納められている曲。
   恒平さんの歌は、歌詞と音の組み合わせの持つ不思議な世界。
   アンコールが終わった後のお話の中で、恒平さんのホームページに書かれている「音としての言葉」についてのお話も聞くことができた。
   これほどまでに真剣に音楽を言葉を考えているなんて今まで考えてもみなかった。
   音としての言葉には絶対に恒平さんの声が必要だと、凡人は思うのでした。

    休憩

 13.ホワン・ポウエルの街〜14.思い出の瞳〜15.黄昏のビギン

 
「ホワン・ポウエルの街」は、恒平さんのホームページに実在の街だと書かれていたので、前の日にインターネットで検索してみた。
 地名は見つからなかったが、眉村卓さんの「鳴りやすい鍵束」という短編集の中に、「ホワン・ポウエルの街」という1976年10月5日に書かれた作品があることがわかった。もちろん恒平さんの歌詞の方が前に書かれていて、恒平さんのこの曲にヒントを得て作られた小説なのか、全くの偶然の産物なのかはわからない。が、とても興味を持ってしまった。一度探して読んでみよう!

 レコードではお圭さんの声に慣れてしまっていて、恒平さんの歌い出しにいつも一瞬「!」と思うのだが、今回はとってもやさしい歌声がすっと耳に入ってきた。恒平さんの歌声のこの曲が耳に慣れてきたのかもしれない。


 
「思い出の瞳」は映画音楽なのだろうか?フランス映画に同じ題名のものがあった。
 恒平さんのフランス語が耳に心地よい。
 ーだけどだけど好きなのさ だけどーというフレーズがいつまでも残っている。

 「黄昏のビギン」は不思議な曲だ。恒平さんが歌っているので、ちあきなおみさんのCDを聞いてみた。
リピートでこの曲を何回も繰り返して聴いてもちっとも聞き飽きないのだ。
 ちあきさんの声はしっとりとした情感のこもった感じだが、恒平さんの声はやさしい暖かさが凝縮されている気がした。

 

 16.長い歌〜17.思い出のソレンツァラ18.夏・二人で〜19.ジェルソミーナ

 
「長い歌」は原茂さんの曲だが、恒平さんは「何でもない曲だけど、そういう何でもない曲って今は珍しい」と言っていた。
 何気ないメロディーというのは実は一番のポイントかもしれない。肩に力が入りすぎずに、自分らしくさりげなく歌えるということが。
 そういう曲が名曲だったりして・・・。

 「思い出のソレンツァラ」は、検索したら岸洋子さんが歌った歌と出ていた。
 聞いたことはあるけれど、誰が歌ったのか・・・と思っていたのだが・・・。

 「夏・二人で」はおなじみの六文銭の曲、お圭さんとの歌声は爽やかで、歌詞が大好きでだった。
 ー長いドレスがほしいな あの飾り窓のーというフレーズは、あの頃は本当に長いドレスが流行していて、白いワンピースや後ろをリボンで結ぶようなブルーのドレスを持っていた昔昔の自分を思いだしたのでした。

 「ジェルソミーナ」は、映画の主題歌に恒平さんが歌詞を付けた曲。

 20.さみだれ川〜21.川のまつり〜22.引き潮

 「さみだれ川」も静かないい曲だと思う。やっぱり歌詞がよくて何度聞いても、ちっとも古くない曲だと思う。

 「川のまつり」は昔、NHKの番組で音叉を持って、少女がスペインあたりを音を探す旅に出るというものがあったそうだ。
 その中で、川のそばで音叉を鳴らす場面が忘れられなくて作った曲とか。

 「引き潮」は、10月に発売されるCDのタイトルになった曲。今の恒平さんの核をなす曲だと思う。
 このアルバムのタイトルは「引き潮」が一番よかったと納得する。この曲を作った時よりもさらに深い意味が歌の中に込められていると思う。
 ビートルズの「IN MY LIFE」の歌詞ように、人々も去って行き、またジョンも去って行った。
 いつの日かこの歌だけが残って、今ここにいる全ての人もここから去って行く日が来ることを、静かに受け入れられるような、全てを包み込むやさしさと祈りの心が込められている。

 

 アンコール

 面影橋から

 
「面影橋から」は「僕がフォーク歌手と呼ばれるようになったのもこの曲があるからだ」と恒平さんは話していた。

拡大画像

 この後、テレビの収録後ってのがあるがそれをしましょうということで、色んなお話を聞くことができた。

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