ウォン・ウィンツァンピアノソロコンサート
たましいのトポスー場所ー

11月16日(日)名古屋しらかわホール
ゲスト:及川恒平

プログラム

演奏曲目

《第一部》ウォン・ウィンツァン

インディアン・サマー

It's Never Too Late to Meet Again

水のうた、森のねむり

光君のプレゼント

River of Lives 〜黄河〜

海より遠く

あるいは街で、あの頃

あるいは夏

 

《第二部》ウォン・ウィンツァン

即興演奏 たましいのトポス 

《第三部》ウォン・ウィンツァン+及川恒平

さみだれ川 詞曲及川恒平

面影橋から 詞/田中伸彦・及川恒平 曲/及川恒平

ふたつの水たまり 詞曲及川恒平

林檎撫づれば 詞曲及川恒平

平原にて 詞曲及川恒平

《アンコール》ウォン・ウィンツァン

夏の風車

 

  

案内白川ホール
しらかわホールの外観

  ピアノ
しらかわホールの内観

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 今日は約1年ぶりの恒平さんの、それもウォンさんのピアノコンサートのゲスト。
 そして恒平さんと再会したしらかわホールでのコンサートに、わくわくどきどき・・・。

 前日の夜に池澤夏樹さんの僻村塾の講義で「アイヌ神謡集」の著者知里幸恵の話を聞いた。一番目のお話の冒頭の、「銀の滴降る降るまわりに、金の滴降る降るまわりに」と池澤先生が紹介された。恒平さんの「天のしずく」の歌詞と同じだと思った。それで三省堂で岩波文庫の「アイヌ神謡集」と「静かな大地」を探してみた。


 会場には2時過ぎに到着。本を読みながら待つ。同じ建物での結婚式が終わって、帰る人たちの引き出物のハートの風船や犬がふわふわ浮かんでいて不思議な風景だった(^^;)。ピンクのハートが一つ転がっていた・・・。

 3時30分開場、4時開演。
 恒平さんの真ん前に陣取って今回もコンサートを楽しませていただきました(^^;)。
 ウォンさんは真っ白なスーツで登場。
 「インディアン・サマー」とは、小春日和の喜びを曲にしたと紹介があった。軽快な耳に馴染んだ曲。いつも通勤の車の中でよく聴いている曲だった。2曲目の「It's Never Too Late to Meet Again」は再び出会うのに遅すぎることはないという思いを曲にしたとか。19才の頃ジャズのバンドにいたが、言葉で人を傷つけることが多かった。身近になった分人を傷つけてしまう。争うのがイヤで自分の心を閉ざして、孤独になってゆく。それが強くなったのだと思っていたが、そうではなく心を閉ざしているだけだった。傷つけ合っても本当の強さは許すこと、許せる人が本当に強い人だ。30年ぶりにジャズのバンドに友人が誘ってくれて再びやる時に作った曲との紹介があった。

 3曲目の「水のうた、森のねむり」は2001年11月のハイビジョンスペシャル「中国の桃源郷〜原始の森の湖沼郡・九寨溝」と、NHKスペシャル「水と森が生んだ奇跡〜世界遺産中国・九寨溝」のテーマ曲「水のうた、森のねむり」と音楽を手がけ、2002年6月にサウンドトラックを発売した中からの曲。
 4曲目の「光君のプレゼント」は大江光さんの無垢な感受性に感じて作った曲だと紹介があった。
 どの曲も演奏の前にしばらく祈るように両手を合わせていたウォンさんの姿が印象的だった。
 何かを決心するように弾き始めると、指先から流れるような豊かな音が開場に響き渡って、美しい音楽に心が満たされてゆくのを感じた。500席あり2階席も入っていて、400名〜500名の方が入っているようだった。
 5曲目の「River of Lives 〜黄河〜」は脈々と流れる川と人々の流れを音楽にした曲。低音の響きが印象的な曲だった。普通のピアノは88鍵だが、このピアノ(ベーゼンドルファー オーストリア製)は96鍵あり、低音が音に聞こえないような低い音まで出せる・・・と説明があった。

 6曲目「海より遠く」は友の時間という神奈川県の重度障害者通学施設のドキュメンタリーのために作った曲。
 7曲目「あるいは街で、あの頃」8曲目「あるいは夏」は恒平さんにタイトルを付けてもらった曲だが、海に関係する題名で、奥様がデザインしたジャケットも波で海に関係していて繋がっているものだった。

 ゆったりとした静かな曲が多く、華麗なる指先を見つめてしまった。
 あっという間に時間が過ぎて休憩時間。ほっとため息をつく。

 休憩の後はウォンさんの即興演奏 たましいのトポス=A静かな中にも波があり心地よい調べに心は夢の世界に羽ばたいていた。 ウォンさんのピアノの音色は暖かく、やさしい・・・。

《第三部》ウォン・ウィンツァン+及川恒平

 ウォンさんが恒平さんとの出会いについて話された。
 レコードのアレンジを依頼されたウォンさんが恒平さんに「僕に何をさせたいの〜、こんな感じだったよね。」、恒平さんは「うんうん」というように頷いていた。みんな若かったんだなあ・・・(^^;)。

 恒平さんは今日は黒のパンツにグレーの地に山や竹が描かれた和風な、柔らかい素材のスタンドカラーのカッター姿。
 ギターはなしで歌に専念。
でもギターがなくて手持ちぶさたのようで、両手を組み合わせて、まず「さみだれ川」から歌い始めた。
 クラシックのコンサート会場で、マイクがなくてもよく響くホールの中に恒平さんの歌声が広がってゆく。
 1年ぶりの恒平さんは髪はちょっと栗色になっていて、細っそりして少年のように見える。
 今日は声がよく出ていて、とってもやさしい歌声。
 始まる前に高橋さんとピアノの伴奏の「面影橋」ってどんな感じかな〜と話していたのだが、名曲はどんな風に入れ物を替えても中身が変わるわけではないか・・・と納得。ビートルズの「イエスタディ」はクラシック風に演奏してもやっぱりいいもんなあ〜。

 「ふたつの水たまり」「林檎撫づれば」「平原にて」3曲とも大好きな曲で、ウォンさんのピアノに合わせて恒平さんは豊かな声量で、クラシックかオペラの演奏会に来たような雰囲気。いつもの柔らかい空気とは違って背筋をピンと伸ばして聴くような印象。
 ウォンさんとの息もピッタリで、間奏の間の恒平さんはウォンさんのピアノを楽しむように後ろに下がって聴いていた。
 愛や恋の歌が主流の流行の歌の中で恒平さんの歌詞はもっと人間の根元的な生きることそのものを歌っている。
 何が上で何が下というものではないが、愛や恋も通過してもっと深く魂に直接響いてくる歌であり歌声であることは確かだ。
  

恒平さん

 コンサート終了後、ななこさん、高橋さん、一さんご夫妻と少しお話をする時間があった。
 「アイヌ神謡集」と「天のしずく」の関係について恒平さんにお話を伺う。
 「海や山の神様たちーここでも今でもない話(ビクターJBX−75)」は、1975年に「及川恒平の子どものうた。新しいロック・サウンド!奔放なイメージとことばの遊びの楽しい世界」とレコードの帯に書かれているように、子どもたちのために書かれたアルバム。
 その中の1曲、「天の滴」の歌詞「
銀のしずく降る降る降るよ・・コタンの屋根に・・・」という歌詞と「アイヌ神謡集」の一番目のお話「梟の神の自ら歌った謡 『銀の滴降る降るまわりに』」が同じということでお話をお聞きした。
 このアルバムを作る時に北海道の図書館に取材に行き、知里幸恵の資料も見せてもらったりしたとのこと。色々な資料を探したが、この言葉が一番美しい印象的な言葉であったことなどを話していただいた。
 
 アイヌには文字がないからもしアイヌに郵便屋さんがいたら言葉で手紙を配達するという曲を作ったが差別になるということで実現しなかったそうです。アルバムの中には「ものおぼえのいい郵便屋さん」という曲が書かれています。作品解説に恒平さんはこう書いています。「文字を持っていないことで、口伝物語であるユーカラは、アイヌ民族の内で大きな比重を占めていたことでしょう。口伝するそんな人の姿を、ここでは郵便配達夫に置き換えることで、あらわしてみました。」と書かれています。

恒平さん恒平さん

 さて、今回は駅ビルで恒平さんのお土産に「江川の水ようかん」を持参しました。福井の冬の季節限定の水ようかん(^^;)。
 皆さんで試食していただきました。へんなお土産ですいません(-_-;)。

 帰りに駐車場に車を入れてあったのですが、コインを入れてもお金が戻って来る・・・、故障・・・。貼ってあった電話番号に電話したら、自転車でおじさんが見に来てくれました、やれやれ。こうして楽しかった一日も終了。
 恒平さん、ウォンさん、ステキな歌と演奏ありがとうございました。
 参加された皆様、楽しかったですね。
  
    

 

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