( 2,926m)  富山県上新川郡大山町                                 line

日時   H16. 9.25〜26
天候   曇
参加者  5名

コースタイム 

9月25日

 5:00  勝山発〜丸岡IC〜立山IC〜有峰林道〜折立
 8:50  折立 薬師岳登山口駐車場着
 9:10  折立 薬師岳登山口発 1,355m
10:45  三角点           1,871m
14:10  太郎平小屋        2,330m
15:00  太郎山三角点       2,373m
       薬師沢方面散策
17:00  太郎平小屋
17:30  夕食
21:00  消灯

9月26日

 5:00  点灯
 5:30  朝食
 6:00  太郎小屋発
       薬師峠          2,294m
 8:00  薬師岳山荘        2,700m
 9:18  薬師岳山頂着      2,926m
10:10  薬師岳山頂発
11:00  薬師岳山荘
11:30  薬師岳山荘発
13:00  太郎平小屋着
13:30  太郎平小屋発着
16:00  折立駐車場着
17:00  白樺ハイツでお風呂タイム
17:40  白樺ハイツ発
20:30  勝山着

 9月25日(土)

 暗いうちに勝山を出発する。
 有明林道のゲートが6時にならないと開かないこと、お天気模様があまりよくないということで5時の出発となる。
 丸岡ICから高速に乗って一路立山ICまで。
 金沢のあたりでようやく明るくなってくる。白山はガスの中で見えない。
 富山県に入る頃には雨も降り始めて、周囲の山はガスの中で全く見えない。
 合羽を着て登るのか、どこか温泉に入って帰ろうかなどと心細い会話の車中。
 始めての薬師岳、登りたいよなあ〜と心の中で思う。
 折立の登山口に着いて、たくさんの車にびっくり。さすがに百名山、様々な県名の車が並んでいる。これは登らずにはいられない・・・(^^;)。という訳で、身支度を整えて、登る準備を始める。

 9時10分、折立無料休憩所を出発して、太郎坂の大きい表示のある杭の横から登り始める。
 今夜の宿泊先の太郎平小屋まで8km、約4時間の道のりだ。
 歩き始めてすぐに、遭難碑の十三重の塔がある。
  

太郎坂十三重の塔]

 昭和38年1月、38豪雪の年に愛知大学の学生13名が薬師岳の東南稜で道を間違え遭難した事故の供養の碑だ。遭難から40年、学生だった彼らも、生きていれば60才を越える年令となる。遺族の父母も高齢となっていることだろう・・・。深い緑の中で、塔も歴史を刻んでいた。

 雨の後の湿った道を歩き始める。お花はあまり咲いていない。
 ツルリンドウの大きな赤紫色の実がつやつやと鮮やかだ。
 あの小さな花からこんな大きな実ができることが不思議だ。
 ミヤマシキミも赤い実を付けている。赤い実はきれいだが全体に有毒で、食べると痙攣(けいれん)を起こし止まらない・・・(-_-;) 葉をちぎると線香の匂いがするとか・・・。
 ミズゴケがきれいな黄緑色で、斜面にびっしりと張り付いている。

上り坂ツルリンドウの実
ミヤマシキミの実ミズゴケ

 ゴゼンタチバナの赤い実やマイヅルソウの赤紫色の実がきれいだ。実の色はどれも微妙に違っていてどれ一つとして同じ色のものがない。自然は本当に不思議だ。
 シラタマノキも白い実を付けている。
 途中、ミズバショウの葉っぱが巨大化したものもあり、雪解けの時期には可憐なミズバショウの白い花にも出会えるようだ。

ゴゼンタチバナの実マイズルソウの実
紅葉の蔦シラタマの木

 ブナの林の中を登って行くと、だんだんとコメツガやトウヒなどの針葉樹林に変わって行く。
 針葉樹特有の匂いが満ちてくる。松の木のようなこの匂いをかぐと、高い山に来たなあと思う。
 稜線に出てしばらく行くと、シラカバの木々が目立つようになる。
 ナナカマドやオオカメノキの赤い実がなっている。
 10時45分折立から1時間30分、クマザサが生える三角点(1,871m)に到着する。
 お天気が良いと、草原の尾根や遠くに薬師岳も望めるようだが今日はガスの中である・・・(^^;)。

檜?栂?三角点
三角点のベンチミズバショウの大きな葉のある湿地

 樹林の中を登り抜けると、その先は、明るく開けた草原の尾根だ。
 道の脇にイワショウブの赤い実がまだたくさん残っている。アカモノの赤い実もきれいだ。
 シロヨメナやヤマハハコの花がまだ咲いていた。リンドウはもう遅いようで全く見かけなかった・・・(-_-;)。

イワショウブアカモノ
シロヨメナヤマハハコ

 木道をしばらく行くと1,934mのピーク、トーテムポールの様な柱(積雪測量柱)のある場所もある。
 木道がしばらく続き、また枯れた沢のような石の多い道を行く。相変わらずコゼンタチバナの赤い実が目を楽しませてくれる。

積雪測量柱木道
針葉樹林の道水苔の中のゴゼンタチバナの実

 白樺?

 ようやく霧が少しずつ晴れてくる。
 霧の晴れ間から青空がのぞく。
 それにつれて、周囲の風景や山が見えてくる。
 両脇にネットをはった植物の保護のしてある道が続く。
 
 朝は雨の中を登らないと・・・(^^;)と思ったが、合羽を着ることもなく暑くもなく快適な登りの道だ。折立登山口から太郎平小屋まで約1000mの登りだが、ゆっくりと高度を上げて行くためキツイとは全く感じない。

 石の道を過ぎて、尾根道になる。
 薬師岳は西側から南側に回り込んで登る形になる。うねうねと長い道が続く。
 

稜線の道尾根道

 ようやく霧も晴れて薬師岳が見えてくる。雪のように白く見えるのは、白っぽい石の色だ。
 遠く立山連峰の大日岳も霧の中から見えてくる。


薬師岳が見えてくる大日岳

 小さな池塘があちこちにあり、花の季節にはチングルマやイワイチョウの花が咲き乱れるのだろう。
 紅葉した葉っぱの中から咲き遅れたチングルマの花が2〜3輪咲いている。
 だんだんと穏やかな登りの道になり、雄大な風景に心が爽やかになってくる。
 ニッコウキスゲの花のあとがあちこちにある。左手に薬師岳が真近に迫って見えてくる。


チングルマ地糖

 しばらく登ると太郎平小屋が見えてくる。
 あと少しで小屋だ。具体的な目標が見えて元気が出てくる。
 三角点から太郎平小屋まで約3時間半。
 14時10分ようやく宿舎の太郎平小屋に到着する、やれやれ(^_^)。
 

太郎平小屋が見える太郎平小屋

 太郎平から薬師岳を仰ぐ、
 東から南にかけて水晶岳・ワリモ岳・祖父岳・北鎌尾根・三俣蓮華岳・黒部五郎岳・北ノ俣岳と北アルプスの山々が尾根を連ねて雄大な風景を見せている。
 手前には雲の平。点在する山小屋、いつか縦走してみたいものだ・・・。

鷲羽岳・祖父岳・三俣蓮華岳黒部五郎岳

薬師岳 三俣蓮華岳から水晶岳
太郎平小屋 薬師岳と太郎平小屋

 太郎平小屋の南に太郎山がある。
 小屋に荷物を置いて太郎山に登ってみることにする。
 折立〜雲ノ平へのコースと立山・薬師岳・黒部五郎岳・槍ガ岳への縦走コースとの十字路となっている。
 太郎山(2,373m)からは、薬師岳が真っ正面に見え、雲ノ平、鷲羽岳・槍ガ岳も望める。
 太郎兵衛平では、池塘が点在する。花の季節にはチングルマ・ニッコウキスゲ・シナノキンバイ・ミヤマキンポウゲ・ハクサンイチゲ・タテヤマリンドウなどの花が咲き乱れているようだ。今はもう草紅葉の季節になっている。

太郎山三角点アオノツガザクラとナナカマドの紅葉
アオノツガザクラの実黒部五郎岳・薬師沢の分岐

 瑞々しい苔の色の緑、白っぽい苔の中のチングルマの草紅葉の色の対比が美しい。
 地糖に写る青空がきれいだ。
 太郎山から北ノ俣岳の途中まで歩いてみる。
 気持ちの良い草原の中の道で、写真を撮りながら心ゆくまで周囲の風景を楽しむ。

緑色がきれいな苔白っぽい苔
アオノツガザクラシラタマノキ

北ノ俣岳


 夕食の5時30分まで時間があるので、太郎山の途中から薬師沢への道を歩いてみることにする。
 沢への道をしばらく下ると、バライチゴの大きな実がなっていた。細かい種があるがキイチゴの味だ。
 北ノ俣岳と黒部五郎岳を間近に眺めて、お腹も空いてきたので太郎平小屋に戻る。
 本日の行程は小屋まで8キロ、北ノ俣岳途中まで往復4キロ、薬師沢方面まで往復2キロ、合計14キロくらいか・・・。

薬師岳

 5時30分夕食。ご飯とお味噌汁はお代わり自由でたっぷりある。
 サラダあり天ぷらあり、なかなか美味しいお食事だった。
 ご飯もとても美味しかった。
 部屋に戻って、お布団を敷いていつでも寝れる体制で四方山話。
 今回は6人部屋に5人が寝ることになった。と言っても、4枚敷布団を敷くともう部屋はいっぱいだが・・・(-_-;)。
 毛布一枚に掛布団一枚、明け方は寒くてちょうどいい具合だった。
 9時きっかりに消灯。灯りが消えても何となく明るい。外はガスの中に沈んでいるのだが。
 で、9時に就寝。
 

 9月26日(日)曇

 5時起床、5時30分から朝食。
 ご飯とお味噌汁、お味噌汁の具も昨日のお豆腐から油揚げに変わっている。
 梅干しとラッキョウが器に盛ってあって美味しい。厚焼き卵・お豆腐のやっこ・焼き海苔と家庭的なメニューだ。
 小屋の中の気温は15℃だが、外は寒いかもしれない・・・。支度を整えてお弁当をもらい出発の準備。
 6時、荷物を置いて薬師岳山頂に向けて出発する。
 目標の薬師岳はガスの中で全く見えない。
 きれいに整備された木道を歩着始める。
 薬師岳まで片道4.6キロ、3時間の行程だ。
 一つ山を越すと、薬師峠のテントサイトが見えてくる。トイレ・水場も整備されており、お天気がいいとあたりの風景もきれいな所だ。

木道を歩き始めるテントサイトが見えてくる

 沢に沿って大きな岩の間を登って行く。沢の音がずーっと聞こえていて、水の音を聴きながら急な登りの道を登って行く。
 少しずつ沢のような幅が広がって行く。大きくカーブしている場所もある。早春の頃は雪渓がいつまでも残っていそうな場所だ。

沢のような道石の多い道

 ミヤマリンドウのきれいな花が咲いていた。青っぽい紫の花色の鮮やかさに目を奪われる。
 霧が晴れたり、また流れてきたりと空模様はあまりよくない。が、合羽を出して着るまでもない。

オヤマリンドウ

 薬師岳山荘まで8分の標識を見てしばらく行くと、左手の岩場に雷鳥が三羽いた。慌ててシャッターを何枚も切ったが焦っていて、撮れていたのは右側の写真一枚だけ・・・(^^;)。どこに向けて撮っていたのだろうか、情けない(-_-;)。  


薬師岳山荘8分の看板雷鳥の失敗写真

 8:00薬師岳山荘に到着する。小屋の外の温度計が5℃、吐く息が白い。
 小屋の後ろのドラムカンで火を焚いている場所でしばし休憩。お湯を沸かしコーヒータイムにする。
 暖かいコーヒーで一息つく。歩いている間は暑いが、じっとしていると寒い。

太陽が見えてくる薬師岳小屋
薬師岳の圏谷群碑登り

 薬師岳山荘に薬師岳圏谷群(けんこくぐん)の碑があり、国指定の天然記念物となっている。圏谷群は氷河時代、氷河の浸食作用によってできた広い椀状の谷のことで、薬師岳周辺では4つ並んでいる。南側から数えて第一圏谷(南稜カール)は深く最も大きく、第二圏谷(中央カール)は山頂真下にある。第三圏谷カール(金作谷)は中央カールよりやや小さい。

 8時15分、薬師岳小屋出発。
 岩場をジグザグに登って行く。
 8時55分、避難小屋に着く。屋根は壊れてなくなっているが、東南稜へのルートがないため、迷い込まないための目印として残されているようだ。避難小屋から少し左側に愛知大学生の遭難碑のケルンがある。中には木造の仏様が安置されている。
 新潮文庫「山頂の憩い」の中で、深田久弥は「秋の北アルプス」の中で薬師岳のことを書いている。
 「頂上に近づくと、右手黒部側に大きなカールが擂鉢形に口をあけている。その内壁には幾何学模様の縦縞がついていて、それが斜めに陽を受けた時の美しさに、しばし、見惚れた。その壁の上辺に沿って東南稜が伸びている。愛知大学の学生を惑わしたのはその東南稜であった。広い尾根、しかも視界の利かない猛吹雪の中では、帰路を誤ったのも無理はないだろう。東南稜へ下った彼等は、そこで点々と若い命を絶った。遭難のあったのは1962年1月の初めで、それから大がかりな捜査が続けられ、最後の二遺体が発見されたのは、その年の十月半ばになってからであった。」と書かれている。

 9時18分、薬師岳山頂に到着する。祠の中には金色の薬師如来が安置されている。
 今は有峰湖に沈んだ有峰の集落の人々、かつては「岳の薬師」という祭りに、剣を薬師岳に奉納するため村中で登山したとか。
 今は昔の社の跡形もなく奉納された剣もないと深田久弥は「日本百名山」に書いている。
 今朝はガスがひどく風もあって寒い。
 晴天ならば立山連峰から北アルプス・能登半島・白山と360℃のパノラマが楽しめる所だが・・・(^^;)。
 風をさけて霧の晴れ間を待ちがてら、コーヒーを湧かす。

避難小屋慰霊碑
薬師岳山頂薬師如来

 10時10分、霧が晴れそうにないので下山を開始する。
 山頂付近にはチングルマのほうけた花のあとが残っている。ハイマツ・アオノツガザクラなどが美しい緑の絨毯のように点在している。霧の晴れ間から時々薬師岳がその大きな山容を見せてくれる。

チングルマ岩場の道
霧の中の稜線チングルマの紅葉

 氷河に削られた雄大なカールの風景が少しだけ見える。
 今回は霧に包まれて山頂も全く見えないと思って登り始めたので、これでよしとしよう・・・(^_^)。
 またいつかこれるかな・・・?
 

カールカール2

 11時、薬師山荘に到着する。
 2700mの山腹なのにメニューの豊富なこと。お抹茶、お茶菓子付に惹かれて注文するが、今日はできないということでくずきりを注文する。梅味で美味しかった(^_^)。その他おでんを頼む人、ビールを注文する人それぞれ・・・。ラーメン・牛丼・カレーライスなども試食してみたい気がするが・・・。


薬師岳山荘メニュー
おでんシャクナゲ
地域限定ビールくずきり

 11時28分、薬師岳山荘を出発する。
 ようやく霧が少し晴れてきて、風景が鮮明に見えるようになってきた。

薬師岳小屋山復の道
遠望紅葉の山

 下の方の山の紅葉が始まっている。ナナカマドやウルシの葉の赤が点在している。黄色い葉っぱもきれいだ。
 東南稜のカールが見えてくる。雄大すぎてカメラに納めきれない。

薬師岳カール 東南稜のカール2

 下りの途中で、シナノキンバイの黄色い花が咲いていた。奥手の花もあるんだなあ・・・(^^;)。

シナノキンバイ

 紅葉の始まった山々を間近に眺めながら下山する。黄色の葉がきれいだ。
 ようやく太郎平小屋の赤い屋根が見えてくる。

紅葉の山 太郎平小屋

 13時、太郎平小屋に到着する。ここで昼食タイム。
 お弁当はおにぎり二個にお茶付き。美味しかった・・・(^_^)。

水晶岳 ワリモ岳 祖父岳 鷲羽岳 三俣蓮華岳
黒部五郎岳 北ノ俣岳


 ようやく薬師岳の全貌が霧の間から見えてくる。
 雪のように白い岩、ハイマツやアオノツガザクラの緑の対象が美しい山だった。

薬師岳

薬師岳 薬師岳2


 13時30分、名残惜しいが薬師岳にお別れして帰路に着く。
 16時、折立の登山口まで今日の行程は17.2キロの道のりだった。下りは早い。
 有峰にある、国民宿舎白樺ハイツでお風呂に入って汗を流し、立山ICから高速に乗り、家路についた。
 近場の山とは全くスケールが違う、雄大な風景だった。晴天の日や花の咲く時期に縦走をしてみたい場所だった。

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