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僻村塾記録

鷹羽狩行氏 平成14年7月27日僻村塾

高橋治さん 和歌と俳句はどう違うのか?

 連歌(連句 歌仙)の中の発句・俳句という呼び方がある
 和歌・・・長い描写ができる
 俳句・・・描写をするととめどない闇の世界になってしまう
      詩はきちんとしないと詩にならない
      「拾えよと我足許へおとし文」・・・落としたのは女性?
      男性女性どちらともとれるが、男性が女性にというケースが多い
      落とし文(学名)・・・夏の季語、昆虫が葉に丸まる、ホトトギス(ウグイス)の落とし文
      描写をしない描写 描写のスペース→無視する

 「打ち水や内またぎみに脱がれけり」
 色っぽい→知らん顔して描写している、短編小説を読むような印象
 下駄を脱ぐ前にこの女は何をしていたのか?
 和歌→描写が足らないと面白くない
 575 75調はある世代までは体の中にある
 86調→8で繋がり6で終わる 
越中おわら 地足8 75調の前の時代の要素を持っている
 詠み歌う、流歌・短歌→いまだにメロディーをつけて歌われる 
 古謝美佐子さん 流歌 違う形で文化が生きている

 鷹羽狩行先生 

道教え・・・昆虫 人の先へ先へと飛ぶ(はんみょう)
 季語は日本語の美しいエッセンスを集めたもの
 星月夜・月・天の川・流れ星・流星・夜ばい星・・・秋の季語は大気が澄んで星・月など美しいものが多い
 和歌→短歌 歌会始(御歌始) 陪聴者として出席
 中世から始まり今の形は明治2年から 10:30扉を叩くことから始まる
 淑気・・・新年の天地の間にみなぎる気配 皇居の中の雰囲気がまさにこれ
 冷泉流で25首を披講
 青春をわが過ごしたる学舎に園児らと泰山木を植えにけり
 俳句・・・言いたいことが言えない
 ふきのとう雪解けの地に顔を出し春の訪れ近しと思う
 情報量が多い割に言っていることは少ない
 俳句・・・石頭かもしれぬこのふきのとう
 情報量の少ない俳句の方が多くを言える
 美しい日本語・・・文藝春秋の特集 海外スクーリングをフランスのコートダジュールで行った
 美しい日本語を守っているのは短歌・俳句
 「三冊紙」・・・俳諧の益は俗語を直すなり(芭蕉が言っている言っているが、現代にも通じる)
 和歌(古語)に対する俳句(日常の俗語・俗語の表現効果)
 スクーリングの俳句 夏料理盛りつけに欲しガラス皿
   欲しが夏料理の涼しさを阻害していないか?
   損得に関することは暑苦しい
 → 夏料理よそうによけれガラス皿 よそう・・・盛りつける・装う

 → 香水やたしなむこともなく老いて・・・言葉の推敲
        (縁もゆかりもなく老いて) 
 日常使われなくなった言葉・・・庭田ずみ(水たまり) そばえ(通り雨)
 きりぎし(断崖)
 残しておきたい日本語→季語 ぶらこ(ぶらんこ)・夜の秋・夏の夜・穴惑い

 300年前の今に通ずる芭蕉の言葉・・・秋深し隣は何をする人ぞ(晩秋の持つ寂寥感・寂しさ→群衆の中の孤独アパートマンション暮らしの断絶)

 俳句は時局を詠えるか?
 9/11テロ事件 短歌では詠う
 俳句ではポエジーがない・後世に残る物は作れない
 テロは詠えないのか?大震災・湾岸戦争は詠えなかった
 原爆忌・終戦日は詠える
 上野東照宮の寒牡丹を詠う・・・寒牡丹どころではなき大震災
 季語として残す・・・阪神忌

 天地の地のある限りくわ始め・・・21世紀になった初めの俳句
 ある人がアフガニスタンの復興を思い出す(地雷・空爆からの)
 テロから発生してアフガニスタンへ拡大解釈ができる、それを持って瞑すべき。事件の元になる根本的心情(挫折・祈り・怨念・・・)は詠える

 海に出て木枯らし帰る所なし 山口誓子(伊勢の海岸で病を養う)
 木枯らし・・・木々をふき枯らす地風
 →神風特攻隊を詠う 雲の墓標・きけわだつみの声を思わせる
 一編のエッセイ、すばらしい小説のクライマックスを思わせる、俳句の広がり

 海中(わだなか)に都ありとぞさば火燃ゆ
 平家物語の安徳帝、海の中にも都のさぶらふぞ・・・を思わせる

 久保田万太郎 竹馬やいろはにほへと散り散りに
 いろはにほへと・・・子どもの色々・竹馬の乗り方・帰る家・方向
 たけくらべを思わせる

 野澤節子 咲き満ちて桜青ざめ至るかな
 「桜の木の下には 死骸が埋まっている」梶井基次郎を思わせる。

 三橋 ブランコはこぐべし愛は奪うべし
 有島武郎「惜しみなく愛は奪う」
 時雨るるや駅は西口東口
 菊田一夫「君の名は」。すれ違いを連想。

 短い根本感情・・・挫折・怨念・終末

 キジの目のこうこうとして売られけり 加藤楸邨
 不屈の反骨心

 平成13年俳句(角川)
 粉ばかりなりてなお立つ炭俵(敗北しても主張・時代に馴染めない頑固者)
 ひまわりや大声で立つ枯れてなお(弁慶の立ち往生・執念)

 生老病死の現実の中で詩歌の役割とは・・・潤い・安らぎ・安心を詠うこと
 部分を詠って全体を象徴させる
 部分をつかんでも全体に広がらない
 全員が体験していないと広がっていかない
 季語→共感できない 桜・滝・月・雪

Q&A

 表記の問題で娘(こ)・女(ひと)・掌(て)・戦友(とも)という読ませ方はどうか?

ダメ、辞書にある表記で。一読して意味のわかるように。
言葉の乱れの行き過ぎ・・・字は書くのではなく打つ物、筆順・遍・つくりのわからない人・若い人の仲間言葉の反省

 日本語ブーム

 ケータイ世代 25文字でわかる言葉→あらゆる世代に共通の言葉ではない・共通の歴史認識・日本語の伝統のすばらしさを振り返ってみる

 声に出して日本語を勉強 万葉集・百人一首・・・後で実感
 メール文字は画面に合わせる
 音読 詩を読み直す 美しい日本語
 俳句人口 不況の中で増えてくる→言葉の反省

 
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