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僻村塾記録へ


「職人の女房」  講師 塩野米松氏
                                       H17. 7. 3 白峰村望岳苑

 今まで100人以上の職人(林業・農業・猟師etc・・・)に会ってきたが、職人さんの隣にはいつも奥さんがいた。
 自分が生まれた秋田県角館には樺細工(桜の木の皮を貼って茶筒などを作る)があるが、女房がいないと仕事にならない。
 今回女房については「語り卸し」、はじめてになる。いずれ本にしたい。
 
 アマゾンの山マミ族たちとしばらく暮らしたことがある。
 男は戦士として育てられる。男の子の遊び道具は弓。
 男の仕事は狩り、女の仕事は魚やバナナを取る、子育て、蟻の巣を取る。
 男は180cmほどの弓矢で鳥やオオアリクイを射る。

 隣村へ嫁に行った人がいなくなる・・・交渉・・・探すかもう一人代わりを出す、それがダメなら戦いになる
 女・・・矢を作る 女たちが働いて男は遊んでいるように見える
 男は死と背中合わせに生きている

 ブッシュマン  
 男は狩り  60cmの弓 矢に毒 弓が小さいので遠くへ飛ばない・・・獲物に近づく
 3〜4日毒が廻るまでつけ回す
 女は植物採集  砂漠の植物には木の根に水分を多く含む根がある
 400〜500程の植物の使い方を知っている・・・喉が渇いたら噛む根・喉の渇きを押さえる根etc...。
 男・・・おしゃべり、ニカウさんのような話し方 糞の見方・・・何日経っているか
 戦いはなく、獲物を得ること(タンパク源)が仕事
 主食は女が集める
 家族単位で構成 ボツアナ政府は定住政策をとり、役割が変わる 主食・・・トウモロコシの粉
 男は必死になって取らない、遊びに近い

 ポルトガルに鱒を釣りに行く 簡素・素朴な国
 荒れた大地、植物が育たない 女が働く(日盛りの中で耕す)
 生活の中での習慣・・・抵抗がない

 中国 雲南省・・・一年に米が4回採れるが3回作る
 働くのは女、男は話をしている
 縄文式土器のような日用雑器を作るのは女 文様を描くのは男(山から木材を切って文様を作る)
 外から見ると平等ではない
 ハッカ・・・女が働き男は働かない

 日本の職業の中で女房の位置
 宮大工の棟梁の奥さんは職人のお母さん
 西岡常一棟梁→奥さんの話す→本人に言う
 棟梁・・・男たちは一途、女たちから見れば千鳥足 あーならないようにするんだよと息子に言う
 陰で育てている

 猟師徳島県由岐町 海人(男の海女)
 五島列島へ漁に出る・・・腕に差がある
 いただきさん・・・腕が悪く行商(反物) 女たちは魚の行商
 尾道・・・町中に出店(ご主人の採った魚を奥さんが売る)
 志賀の島・・・商売は女、注文う受けて捌く・焼く
 輪島・・・夫婦船、底引き・さし網漁 気が合わないと曳けない
 準備・魚の餌・・・女の仕事
 海女・・・命綱を握るのは主人

 秋田・・・あけび細工の中川真一さんの奥さんは千葉の人
 徒弟制度は普通親方から教わる、弟子に行くことで習う
 岩手県篠竹細工 篭を編む 夏村さん お舅さんから伝達 お嫁に行くことが修行に行くこと
 兵庫県豊岡・・・柳行李の産地 こおり柳を植えてある
 私は昭和22年生まれで昭和40年に大学へ上京した時、柳行李で荷物を持参
 女・・・弁当箱 男・・・柳行李・トランクを作る
 昔は軍隊用に百万個単位で作る 若い娘が手に職を持つ

 山形 あつみ温泉 関川村 シナノ木・・・シナ布 全員がシナ布を織る
 梅雨時にシナノ木の皮を剥ぐ 洗って干して裂いて煮て糸を取る・・・織る
                                  女の仕事
 樺細工・・・山桜の皮を剥ぐ・・・ニカワで貼り付ける
 経木の茶筒の芯
 皮を磨き上げる・・・包丁で削ぐ・木の葉で拭く
 職人の仕事は手間仕事
 問屋・・・トクサ・ニカワ・皮を張る準備
 女・・・手伝う。効率が上がる。ニカワを煮る
 名作はいいから水準の物を作るようにという女房の言葉
 男は1ヶ月に30個作るのを名作を1個しか作らない・・・男一人のわがままでもある

 刀鍛冶・・・向鎚(普通は弟子か弟)を打つ・・・間もなく人間国宝になる河内さんの奥さんが打つ・・・真っ赤な鉄・危険な作業
 弟子・・・切り株で向鎚を打つ練習をする 弟子を一人前に仕上げる
 西岡常一棟梁の弟子 小川三夫さん 法隆寺の五重塔を見て宮大工を志す
 弟子にしてと言われて西岡棟梁は、18才では無理・仕事がないと断る
 断られて京都の仏壇屋に入る 長野県の山奥で修行 奥さんは金箔を貼る職人
 京都 切金細工の人間国宝 ご主人の作った仏像に貼り付ける
 仏師に嫁入ることがチャンスであった 家内制手工業 夫の仕事を手伝う 技術的修練
 職人は困難な時間を過ごす
 生き方の中に職人の女房という役割
 津島に釣針師 修行の途中で父が亡くなる
 漁師の注文・・・お母さんの助言 起こす火の色・固さ
 職人の視点とはまた違う

 イタヤカエデ・・・竹がないのでカエデで篭を編む 女の手のやさしさ・センス
 イギリス・中国には職人の女房という考え方がない 8時〜5時まで桶職人あとは釣師
 日本人は寝ても覚めても桶屋 桶屋の奥さん丸ごと
 イギリスの釘屋の女房・・・4.5畳 女房と子どもで一樽○円の釘を作る
 中国の人は日本の専業主婦を不思議に思う
 耐久性・体型・社会習慣 いかにも日本人らしい生き方考え方
 日本の女の未来・・・男と女の領域の方向が見えてくる
 最近杜氏も女性が進出・・・修行・努力しながら  男は甘ちゃん
 宮大工・・・女ながらあっぱれな仕事 心構えが違う・・・何かを成し遂げたい・夢に向かって努力する
 女が目立つ社会、男中心の社会が崩れてきている
 女たちが社会の最低ラインを背負っている・・・ポルトガル
 支えていた女が主人公で男がお手伝いという新しい社会になって行くのでは・・・?

Q&A
 目細通り・・・目細釣店(加賀毛針)・・・女の人が作る
 加賀藩・・・鮎釣は毛針で釣ることが武士のたしなみとされていた
 毛針の技術でアクセサリーを作る

 職人仕事・・・のりしろで終わること のりしろで終わらないことは障害であり、許されない
 師匠と同じになることが目標、女性に向いていた
 釣針はパターンがある オリジナルの毛針を作りたがる
 甘さが確信・・・伝統からはみ出してゆく
 変革には男たちの乱暴な力 男は社会的ではない 生死を簡単に割り切る・・・刹那的 持続的ではない
  
     

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