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僻村塾記録 H19.9.8
           優雅でのんきな辻原式小説作法  辻原 登氏
 

 毎日新聞で「許されざる者」を1年半連載 連載は4回目。
 3年に1回連載、なぜ連載するのか?
 小説とは小さい節である。
 字面と小説のイメージとの乖離がある。
 言葉はそういうことがある(意味と字面)

 漢語の中で小説という言葉が出てくるのは、後漢書
 支配している皇帝が歴史を書かせる(史記・・・司馬遷)。随書・唐書(休唐書・新唐書)など。
 元・清・・・支配者蒙古族が中国の歴史を書く。漢民族が90%
 常に自分たちの視点で中国を書く。中華人民共和国という国名の支配
 中国共産党が描く歴史

 後漢書・漢書芸文史・諸子百家(国を支えている役人)の最後に小説家がでてくる。 
 俾官・・・人民の様子を書き留めたものを皇帝に見せる。幽霊の噺、短い噺。
 俾史(ハイリ)・俾官小説・・・下の下の職業
 孔子・・・小説はつまらない書き物、いつまでも読んでいると向上しないが、ないとつまらない。
 
 歴史=中国の小説(物語)
 大説・・・三国志 歴史書   緑記・小説
 中国フィクションの物語登場 13〜14世紀
 日本は源氏物語 1000年前 質の高いもの
 歴史では拾いきれないもの 志(記すこと)界(目に見えないもの)小説
 伝奇小説・・・芥川龍之介「杜子春」「遊仙窟」 歴史と町の噂をつなぐもの

 15〜16世紀に花開く 「三国志縁起」
 日本 歴史書「古事記」(神話から支配したものが歴史を描く)、「日本書紀」
 神話 人間の物語
 天武天皇・・・古事記の編纂を命ずる。文字がなく、漢字渡来は2〜3世紀
 聞く・話すばかりで、書く・読むことを知らない。→中国語で読み書きができるようになる。
 17条憲法・養老・大宝律令・・・中国語 帰化人に学び、聖徳太子が文字により法律を作る
 遣隋使・遣唐使・・・小野妹子・吉備真備は中国語ができる
 @音だけで表記する→ 万葉仮名 安 淡 くずしていく
 A漢字の意味    → 男 好漢自重せよ
   カン          漢=唐
   ハン
   空 音      そら 訓 日本語として読める=発明 そのシステムを今でも使っている
  クウ       壬申の乱(最大の内乱)
  コオン(中)   天智
  コン (北)    天武  国家再編  古事記の編纂(太安万侶) 
                        稗田阿礼(目が見えなかった?)
  歴史・古い言い伝えを覚えさせて書きとめる
  723年 序文は四六駢儷体の中国語で書かれている。天地創造・・・漢文
  →変体漢字(日本語で書く)
  歌・・・万葉仮名
      四種類

  まだ解明されていない(古事記研究) 岩波文庫 原文・・・翻訳文
  今も翻訳 ものすごいシステム
  文字がなかった頃の日本語と変わった
  古事記 723年 
  万葉集 759年 音で書き留めた 大伴家持 

 淡海の海 夕波千鳥 汝が鳴けば 心もしのに 古思ほゆ 柿本人麻呂

 今のように読めるようになったのは本居宣長のおかげでつい最近のこと
 100%正しいかはわからない。
 源氏物語・・・完璧な日本語で長編小説を書いた。
 漢字が読めて書ける

 明治維新 1868年 ヨーロッパ文化でやっていく
 精神面での変革は大きい。
 漢字・漢詩の読み書きが教養の中心
 文字・詩歌のヨーロッパ化
 夏目漱石・森鴎外・二葉亭四迷・・・新しい物語としての小説
                          文字になった物語を読む
 モダンノーベル(小説と翻訳)・・・印刷術・電気・一人部屋の確保
 源氏物語・・・読み聞かせ・冷泉天皇のサロンで。
    定子・彰子 紫式部(愛人)
    清少納言・和泉式部

 新聞は昨日起きたる事を売る 新聞の経営者、今日の続きを明日連載
 売り上げの確保→小説 市民最大のエンターテイメント
 バルザック・ドストエフスキー
 漱石・鴎外
 漢文の素養・漢文の才、イギリス文学
 江戸時代に文学の概念はない
 「我輩は猫である」 東大講師の小泉八雲が首を切られた
 英語教授イギリス文学講義
 「坊ちゃん」以後朝日新聞専属に近代小説を書く
 
 新聞に書くのはその伝統の行為
 東海大学の授業の一環として「花はさくら木」を取り上げ、言葉の世界、小説の裏側を見せる。
 (以下ビデオを視聴)

 ストーリーノート・下書きノート・手書きへのこだわり
 3〜4回書き写す(新しく書く)

 時代・舞台の決定
 1750〜1770年 鎖国の真ん中、内乱戦争なし
 戦後教育で徳川時代の悪口、よい物も多い。芭蕉・一茶・蕪村
 江戸は、パリやロンドンの生活より上
 女性が美しい、鈴木春信などのあでやかな女性
 読んで読んで読みつくす、参考になりそうな小説は「乱菊物語」
 
 0から産まれたわけではない、今までたくさんの本を読んでのその結果小説を書く
 頭の中の言葉のダムを言葉で満水にする、放流・放水する
 貯められた言葉は一つとして自分の言葉ではない
 物語を編み出すのはその人の能力・個性
 他者の言葉の中から自分の言葉を紡ぎ出す

 プロット作りーキーワードを集める
 うり二つである(すり変わることで大事件)
 後桜町天皇は22歳で即位、30歳くらいで退位
 内親王時代に地下組織の女頭領

 提案書の作成
 時代小説はファンタジーである

 ロケハン・現地で取材
 プロットノート 6ページ
 小説の舞台で書く・・・現地の持つ力はスゴイ
 言葉を生き生きさせる・・・土地・人・光・水・空気の中で言葉は生まれる
 より言葉に力を持たせるには、土地の精霊が必要

 仙洞御所から始まる
 淀川・宇治川・桂川の三川の合流点の巨椋池跡
 人間をきっちり描く
 物語を支えるのは作者の思想
 読書量・人生経験 考えること・ぶつかっていくこと
 地味だけど楽しい

 現実を凝縮させるのが小説
 それだけでは満足できない
 フォスター 1/3 睡眠 1/100 恋愛 1/3を占めているように書くのが小説
 1/3 眠り ・・・ 夢的な部分で描く → 地下都市

 「群像」夫婦幽霊 芥川龍之介「狂人の死」・・・「本所両国」エッセイ 
 田沼意次のモデル?
 小説の人物は内面が語られる
 エリザベス二世がそっぽを向いたのは歴史だが、その理由を描くことが小説

 

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