「Coyote」第2号

 「Coyote」第2号を読み終える。 
 「特集星野道夫の冒険ーぼくはこのような本を読んで旅に出かけた。」という特集号だ。
 一番のみものはフェアバンクスの自宅の本棚の800冊のリストだ。
 「イニュニック(生命)」などの本を読んでいると、その哲学的とも思える考え方が、星野さんは今までどんな本を読んできたのだろうとその思想的な背景を知りたいと思う。そう考える人も多いのだろう・・・。今回の特集が頷ける。
 勿論、広大なアラスカの荒野の中での孤独な取材活動の中からつかみ取った物、先住民の古老や友人の歴史的な背景や現在の悩みを通して、自らつかみ取った考え方というものもあるだろう。
 それ以前のアラスカに至るまでの精神的な軌跡の中には、本というものが大きく影響していたことは間違いないことだろう・・・。
 「アラスカ」という写真集を見て、シシュマレフ村へホームステイを依頼したことが、アラスカに興味を持つきっかけとなったのだから・・・。

 本棚の中の1冊「デルスウ・ウザーラ」アルセーニエフ著は、「ウスリー紀行」という題名で高校の教科書に載っていたのを読んだ記憶がある。椎名さんも読んだリストに挙げていたが、冒険心を心の奥底に持つ人には欠かせない1冊かもしれない。
 「河合隼雄全集」のうち、「4.児童文学の世界」「6.子供の宇宙」「7.子供と教育」「11.宗教と科学」「12.物語と科学」「14.流動する家族関係」がある。1994年に出版された本で、1996年に星野さんは亡くなっているので、亡くなる少し前に読んでいた本のようだ。子どもさんが生まれた頃、そしてワタリガラスの伝説へと興味を持ち始めてボブ・サムと出会ってゆく頃読んだ本。そう考えると納得できる選書だ。
 丹念に本を見ていくと、そこから星野さんが進もうとしていた方向が見えてくるようだ。

 
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