HOMEへ

講演会記録へ

子どもの読書活動推進フォーラム 「子どもはどんな本が好きか」 那須 正幹 さん

   H16. 2. 29 県立図書館

 

那須正幹さん 

 1942年広島市生まれ 山口県周防市在住
 1949年小学校入学 学校図書館のモデル校で偉人伝などの本がたくさんあった
 小学校時代、本は嫌いだった
 中学校〜高校にかけて本が好きになった
 漫画・映画・ラジオドラマは好きだった、物語は好きだったが活字は嫌いだった
 ズッコケ三人組シリーズがベストセラー
 本・・・児童文学・絵本についての話
 子どもはどんな本が好きか・・・わからない
 1960年後半〜1970年始めには良い作品が多く作られ、読書運動も盛んな頃だった
 子どもにどんな本を与えたらよいかという与える方の関心が強く、受ける側の子どもの関心はなかった
 コナン・金田一などストーリーは難しい
 活字を読む面倒くささを物ともしないほど面白い本→ハリー・ポッター・・・あれだけの分厚さでも読む
 
 良い本の条件とは・・・
 
 わかりやすい文章で書かれている
 文章を頭の中で思い浮かべることができやすい本・文章をイメージ化しやすい本
 学校では言葉の意味を理解させることはするが、言葉のイメージを伝える学習はしない
 海・・・辞書では「地球の表面のうち海水で覆われた部分」
 五感を通じて海に触れた時にイメージできる
 野球・・・自分の体験が必要、言葉のイメージが浮かばない→読書嫌いの原因

 主人公の顔が見える作品
 本の中に自分の友達を見つけたい
 コミック・・・主人公の名前をタイトルにした本が多い 鉄腕アトム・サザエさん・ドラエもん・ちびまるこちゃん
 日本の本で主人公の名前が付いた本は少ない→外国には多いが、主人公がわかりやすい
 
 スピーディ・ストーリーがしっかりしている
 小津安二郎「東京物語」、「ハリー・ポッター」「千と千尋の神かくし」・・・複雑なストーリー
 
 読んで特をする物語
 情報を得られる、新しい発見がある・・・「半落ち」
 司馬遼太郎・・・歴史を学ぶ
 西村京太郎・・・B級、行かなくても福井がわかる
 のらねこ大将・・・動物の生態がわかる

 読んで元気が出る
 戦争・原爆は嫌い・・・「フランダースの犬」「にんじん」「罪と罰」など、今の子は嫌い
 
 真に子どもに迎合する本
 読者は子どもであることを根本に置く
 1978年ズッコケ三人組シリーズ・・・子どもに迎合した作品である批判があったが、子どもに迎合しているかもしれないが大人には迎合していない
 課題図書・・・学校の先生のおめがねにかなった作品
 ブームがあるが(癒し・やさしさ)、時代に流されず子どもに向けて書く

 子どもを取り巻く読書環境の整備
 1970年代読書運動が盛んだったが、そのころ子どもだった今の40代の人たちが本が好きか?
 低学年の頃本をよく読むが、高学年になると読まない
 大人になってから本が好きになればよい
 大人が本好きになるになる読書運動が必要、大人の推進法を作るべき、大人がまず読むべき
 朝読書を廃止する学校が出てきた→1時間目に入っても本を読んでいる
 魂の震えるような出会いが1冊だけでよい
 分析(主題等)は嫌になる・・・宮部みゆきを何が言いたいか考えながら読まない
 子どもたちが自主的にする読書運動があるのではないか?
 →宇都宮図書館で子どもが一番良いと思う本に賞を出す
 →下関の子どもの本の専門店は取り次ぎ店の展示会の参加 
 →京都 中学生の図書委員が子どもたちのリクエストを取る
 本を読むということは能動的・・・映画館へ行って映画を見るくらいのエネルギーが必要
 作文の審査員をしているが、子どもも審査員になっている、なかなか良い選評眼がある
 子どもが主体になる読書環境があるのでは・・・。

 優れた本は買って読みなさい
 福武書店(ベネッセ)が10年前、金原瑞人さん訳の児童書のいいものを出版していたが、児童書から撤退
 すぐれた本でも売れなければ絶版になってしまう
 1977年「なみだちゃんばんざい」を出版・・・泣き虫にエールを贈りたいと思って書いた本だった
 泣き虫ではない子が好きになってくれた。「私だって泣きたいときがある・・・」
 感動は読者が作るものである、作者と読者の共同作業である
    

 

home