HOMEへ

講演会記録へ


「現在(いま)、子どもたちが求めているもの」  講師 斎藤惇夫氏
                                       H16. 8.27 大野市立図書館


斎藤惇夫さん

 1940 新潟県新潟市で生まれる。
      小学1年から高校卒業まで長岡市で暮らす。
      立教大学にすすみ法律を学ぶ。
      電機会社に就職している時、スミス著「児童文学論」、アザール著「本・子ども・大人」を読み
      好きな児童文学に専心しようと決意して福音館に入社。
 1971 「グリックの冒険」で児童文学者協会新人賞受賞
 1979 「冒険者たち」で国際アンデルセン賞受賞
 1983 「ガンバとカワウソの冒険」
 2000 福音館退社

 
 トンネルを越えてきた大野の風景が長岡に似ている。
 山に囲まれた盆地で昼間から眠っている街。子どもたちの姿も見えない。

 子どもとメディア

 1998年国連子どもの権利委員会が色んな国の調査を実施し、その結果を日本政府に勧告した。
 印刷物・メール・映像メディアの有害な影響(暴力・ポルノ)から子どもたちは守られなければならない。
 他の国は勧告を受けていない
 1999年アメリカの小児学会が親・教師に以下のような助言を出している
   テレビ番組は親が選ぶべき
   メディアに接する時間は一日2時間以内
   子ども部屋にメディア機器(テレビ・パソコン)を置かない→佐世保事件・・・部屋でチャット、親がいる居間でさせるべき
   メディアを子守りがわりにしない
   2才未満の子どもにテレビに接触させない 3才までに脳の70%が決定
   メディア会社に勧告 →  武器を携帯することを正当化しない・暴力シーンを排除する・人間を標的にしない

 日本政府は10年以内に結論を出すと回答
 日本の小児科医が立ち上がる
   @2才までの子どものテレビは控える
   A授乳中食事中の視聴はしない→赤ちゃんは授乳中、何回か口を離しお母さんの顔を見る。
   目を合わさないと赤ちゃんの帰るべき場所・人が見えない。
   授乳中にケータイでメール・・・母の意識はケータイの向こうの人
   ・・・子どもと接している時には子どもに全力で注意を向ける
   B全てのメディアに接する時間を制限する・・・2時間を限度 テレビゲームは30分
   C子ども部屋にテレビ・パソコンを置かない
     「ゲーム脳の恐怖」森昭雄著の中に脳波・・・α派(感動) β派(考える)があり、ゲームをする子どもはβ派がほとんど出ていない、老人性痴呆と同じような脳波である。
    生活の背景としてテレビゲーム・パソコン・ケータイメール・ビデオに熱中
    大脳皮質の前頭前葉(判断・思考・コミュニケーション)・・・目・耳から入った情報を全身に行き渡らせる
    ゲームに熱中すると切れやすくなる・注意力散漫・羞恥心欠如
    ピアニストは指先で弾いているだけではなく、音楽の中で想像力・経験で判断している
    幼児・・・指さしができない・言葉を発する前の頃の有意語の遅れ・視線が合わない・友人と関われない・言葉が話せない
 結論・・・親と子どもはいっぱい語る・いっぱい抱っこ・いっぱい笑う

 子どもたちをまともに育てて行くには?
   子どもの本・・・3代続いた、良い本を与える
   朝日・毎日・読売など新聞の書評を信頼するな!
   図書館・学校図書館を信頼して
   読書感想文の宿題はどんなことがあっても親が書いてほしい。
   感動は言葉にできない。子どもの最高の褒め言葉は「面白い!」だけ。
   なぜ面白かったかわかるのは大人になってから。

 本を生涯の友とする子を育てるために

  @「子守歌」と「わらべうた」
   子守歌・・・地方の言葉の結晶が残ってきた・子どもたちは意味もわからず眠くなる
   わらべ歌・・・遊ぶことができるほど美しい言葉であった
           日本語の基本的な姿を身に付けることができる
           言葉の持つ一番大切なものを親子で共有する
           日本語を徹底的に語ることが大切
           ノルウェイでは昔話を語るのは父親の役目
           わらべ歌を徹底的に歌って行くと、親子の関係が恢復してゆく
  A子どもが本好きになるか否かは、絵本で味わった楽しみの量による
   本嫌いな子どもがいるのではなく、本嫌いにさせる親や保育者や教師や図書館員やボランティアがいるだけ
  B誰よりも絵本好きになってほしい。
  C絵本の読み方に技術はいらない。心を込めて読んでやればそれで十分。
   読み手の胸から飛び出し胸に帰る・・・ゆっくりと、聞くことが大切
   幼児・・・自己同一化、本の主人公になりきる
   日常の中で足りない事を経験する・・・恐いことは背後で支えている人が必要
   読んでもらうことは子どもの成長に欠かせない
   4年生・・・完璧だった親にも欠点があることがわかる年令 親との対立・異性を好きになる・秘密を豊かに守りきる 
  D昔話は物語の宝庫、人間の心をとく鍵
   むかしむかし → 向こう 時間空間を飛び越えて人間は何なのだろうと考えさせる
  E決め手は選書にあること
   絵本の絵・・・芸術的にもすばらしい
  F児童文学の古典といわれるものをたくさん読んで。
   子どもの文学がはるかに深い
  G音楽を聴き、絵を楽しみ、本を読み、まず自分自身を磨こう。
   結局絵本や物語を伝える側の人間としての豊かさの問題に収斂して行く。
   絵の良さも、文章の美しさも、物語の豊かさも、不断に学び続けない限り、子どもたちに伝えることなどできない。
  H公共図書館員との友情を深めてほしい。
  I自分の心の中にまず100冊の子どもの本の図書館を作って。  

home