HOMEへ

講演会記録へ

「鏡花と福井」  福井大学 越野 各氏
                                          H17.3.5 於:勝山市立図書館

 泉鏡花は浅野川畔下新町に生まれる。父は彫金師。明治維新後高岡に移る。銅産業に従事。
 母を10才で亡くす。向山(卯辰山)に母の墓あり。川の向かいに東郭があった。
 浅野川(=女川VS犀川=男川)を作りかえて独自に描いた(文学的修辞)。
 「きぬぎぬ川」・・・(後朝川 衣衣・・・共寝をした男女の朝の別れ) 朝六の橋 明六ツの橋の橋がかかっている。
 白根が嶽(白山)を別れ日那が嵩(日野山)・あさむづの橋(浅水)湯尾峠・燧が城・・・芭蕉の「奥の細道」に描かれている。
 金沢・・・浅野川 福井・・・日野川(白鬼女橋
                      「そろり物語」(一休さん)に平泉寺に住む若僧に旅の女が懸想、翌朝鬼女となり、白鬼女橋で斬り殺す
 白鬼女橋は白山と日野山を結ぶ橋、別れ橋
 実際の地名をたどりつつ、全く違う場所に突き抜けてしまう(福井-燧が城-白山比盗_社 白山を中心に・・・)。

 鏡花はなぜ福井と関わりがあるのか?
 「高野聖」 明治32年 飛騨から信州へ行く旅の僧の体験 安房峠・野麦峠のような設定
 松本・諏訪 孤屋の女(魔女) 白痴の亭主 蛭・蛇 飛騨の薬売
 自分に言い寄る者を馬・蛙・猿に変える
 敦賀の夜、旅の僧に語られる
 馬頭観音との関係、馬との結婚・・・異獣婚

 敦賀・福井間に汽車が通じたのは明治29年7月。それまでに鏡花は上京を6回、帰京を5回している。
 金沢から人力車で敦賀まで出た。
 北陸道は古くは「平家物語」「太平記」「太閤記」、水と女の美しい武生、春日野峠、鯖江白鬼女川付近は「越前もの」の異空間だった。
 浅水の「朝六ツ橋」は、鏡花にとって加賀との別れ、越前の入口を象徴する歌枕だった。
 白山を中心とする幻想空間。 

HOME