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       「子ども読書の日」記念講演会第1回ふれあい講座    石川県立図書館 H18.4.16


                        読む力は生きる力                 脇 明子氏

 本を読む意思を持続するには?
 中高生になると自分とは?将来は?と考える。考えるのに読書は大きな力になる。
 4月23日 「子ども読書の日」に制定された。
 私は泉鏡花の初期の子どもの視点からの研究がおもしろかった。
 8年岡山子どもの本を考える会を30名で発足、今300名の会員。
 メディアの有害性を実感、本離れどころではない。

 こどもがちゃんと育つとは?
  周囲に目をやり一人で生きる。
  失敗や災害等に遭っても状況とうまく折り合いをつけて上手に生きていくこと=生きる力
  柔軟な問題解決能力
  自己コントロール能力
  空間的にも時間的にも広い視野
  前向きな人生観、世界観を持つ続けられる力

 現状は
  マニュアル依存、挫折回避
  パニック、衝動的犯罪、無気力
  断片的な情報のカオスを浮遊
  悲観的、刹那的な人生観、対人不信
  インターネットは結びつけることを知らない。
  どうせやっても無駄。

 最大の原因はメディア
  「子どもとメディア」問題に対する提言(日本小児科医会)
  メディアはなぜ赤ちゃんの発達に有害か?
  メディアの発達により子どもが脅かされているからこそ読書が必要。
  本を読まなくても地域、社会の中でやっていけた時代。
  赤ちゃんはコミュニケーションによって人間的知性を育てる。
  泣くこと・・・発信
  認知考古学 スティーブン・ミズン「心の先史時代」・・・柔軟・重要な問題解決能力
  進化心理学
  人間だけになぜあるのか?赤ちゃんが言葉を獲得する時代と
  人類が言葉を獲得する時代は同じ。

 人間は一人では生きていけない。
  複雑な音声を持つ声帯がある。
  ネアンデルタール人は声帯があまり発達していなかった。
  母子関係・・・世話をやく・・・アピール
  バーネットの「秘密の花園」が大好きで今でも球根が目を出す喜び
  学生は絵本とは絵を楽しむものだと思っていた
  絵本は本来絵の助けを借りて物語を楽しむもの。物語性のあるものが大切。
  イチゴが赤くなる→時間の流れ

 映像は圧倒的にいつも現在。とりあえず見ていることができる。
  感情体験をさせてくれる
  映像は音楽・ナレーションに操作されている感情。あっという間に変わっていく。
  感情の押し売り。
  物語をたどっていけば自然に体験できる。
  ダニエル・コールマン著「EQこころの知能指数」・・・アメリカの心理学者らしい功利的
 
 いい児童文学はなぜいいのか?EQ・・・タイム誌が作った言葉
  情動の知性 emotional inteligense
  IQは生まれながらに決まっている(先天的)
  EQは体験から。腹が立った時、知性によって収めることができる
  Emotionを上手に処理し付き合っていく
  メタ認知能力と重なるが=ではない。
 
 不快感情の体験・・・寂しさ・悔しさ・哀しさ・怒り・憎しみ・ねたみ等幼いうちからちゃんと体験し周囲の大人から学んでいく。
  不快・・・まんが・ゲーム・好きなミュージシャンの音楽を聴くことで逃げる。
  怖いことではないか?親が物を買い与える。
  その年齢を過ぎたらどうか?
  「やかまし村の春夏秋冬」・・・友達と喧嘩、ケーキを焼くことで友達にもあげよう
  リンドグレーンのうまさ・・・建設的な不快感情の処理方法
  自然体験のある昔の生活・・思い通りにならないことがいっぱいおこる→何とか処理する
  年齢の上の子が下の子をなだめる。→学ぶ機会の消失
  チクチク言葉→抑圧する・・・ある種の子は臆病になる
  佐世保の事件・・・いい子が裏でいじめ・とんでもないことをやっている(二重人格)
  不快感情がよくわかっていない。
  小学生の時代の愛読書がホラー・・・自分の不快感情がよくわかっていないと気分の悪いヤな感じ→憎い・寂しいの違いがよくわからない

 すぐれた児童文学・・・主人公と一緒に味わい少しずつ解決に向かう
  実際に生きていて経験できる不快感情は物語の主人公が抜け出していく
  「おもしろ荘のこどもたち」
  屋根から傘をさして落ち、遠足に行けない時、お父さんが紙と鉛筆で新聞作りを提案する。
  「ハイジ」・・・長い間町にいて山に帰る
  嘘をつき重ねる
  主人公が嘘をつく、意地悪をする・・・自分だっていいんだ、そう思えるありがたみ
  不快感情と付き合うと自分の心をモニターできる
  喜びの大きさを味わえる。
  「金曜日うまれの子」 ステキなおばあちゃん、ほどけていく心地よさ

 子どもたちがホラーやバイオレンスを手に取る
  岡田尊司著「脳内汚染」・・・大人にとってニュースは良い・教養番組だが、小さい子どもには恐怖体験。
  両親がホラー好きで映画に一緒についていく。
  ホラー・グロテスクなものは麻薬中毒と同じ。暴力的映像に子どもをさらすことは実際に暴力をふるうのと同じことである。
  インターネットの検索・・・ホラーやポルノへ行き着く
  フィンランド・・・子どもがテレビを見るなんてそんな親は怠慢。お父さんが毎日15分本を読む。
  PTSD (Post Traumatic Stress Disorder:(心的)外傷後ストレス障害)
  子どもたちが好き・・・そうしたのは私たち大人の責任

 児童期に質のいい物語を楽しむことが思春期を乗り切るための力になる
  自分で読めないのなら、読み聞かせでもいいから、質のいい物語を。
  思春期を乗り切るために必要なこと
  自己コントロール能力
  ワーキングメモリとそれをうまく働かせる力・・・鍛えることで容量が増える
  物語を読むこと、登場人物・事件。感情が乱れていると正常に働かない。
  いつもできることができない。
  前頭葉に感情の情報が入っている
  挫折に耐える楽観性 お料理・お話
  質のよい物語はそれらを与えてくれる
  小学校で長編の話・・・大きな地図を貼る
  大人の小説より元気が出る
  図書館に依存しすぎ。図書館は買う値打ちのある本を探す場所である。
  分厚い本を読み終えると自分のものになる。
  スローブック・・・ゆっくり読むことで良さがわかる本
  
 小学校以前・・・メディアの良い点はない
  2歳以下・・・全くダメ
  小学生・・・よく選んで、時間を限って
  コントロール能力
  誘惑が強いゲーム
  一人の子どもに65億人の悲惨な状況が降り注いでくる現状。

Q&A

Q 感情体験不足な中高生でも本は薬になるか?

A ピタリとはまるものに出会えば大学生でも大丈夫。
  高校生の司書・・・一人一人と話し合って。

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