坂元昭二 ACOUSTIC GUITAR SORO LIVE
〜風の旅団〜

   in 響のホール  2004/9/10  

     @国境の南(曲 坂元昭二)
     A出雲(曲 坂元昭二)
     B飾りじゃないのよ涙は(詞曲 井上陽水)
     C天から降ってくる光 窓から射し込む音(曲 坂元昭二)
     Dアッシジの風(曲 坂元昭二)
     E木星が視えた夜(曲 坂元昭二)
     F北の国から メインテーマ・蛍のテーマ・淳のテーマ・五郎のテーマ(詞曲 さだまさし)
     G水の星座 最後の円舞曲(曲 坂元昭二)
     H風の扉(ドア)(曲 坂元昭二)
     Iあの日君と詩仙堂へ行った(曲 坂元昭二)
     J風の旅団(パレード)(曲 坂元昭二)
     K上を向いて歩こう〜ドラえもん(詞 永 六輔 曲 中村八大、詞 藤子不二雄 作 越部信義)
     Lブルース サザエさん(詞 林 春生  曲 筒美 京平 )
     Mミストラル(曲 坂元昭二)
     N空へ〜全ての命は空へ(曲 坂元昭二)
 アンコール
     好き(詞曲 坂元昭二)
     いつも何度でも(詞 覚和歌子 曲 木村弓)




 坂元さんのコンサートに行こうかどうか迷っていた。
 今日で母が亡くなってからちょうど四ヶ月経った。
 ここの所心が沈みがちで、賑やかな所・華やかな所へは全く行く気がしなかった・・・(-_-;。
 静かに山道を、考え事をしながら歩くのが今の自分にとって一番心が穏やかになる時間だった。
 山の中でひっそりと咲いているウメバチソウの花が気高く思われた。
 厭世的な気分、今頃になって人生って何だろうとふと考えている自分がいたりする。
 自分の心の中へ中へと思考が遡って行き、外へは向いていないようだった・・・。
 坂元さんもお父さんを亡くされたと聞いていたので、その魂を沈めるような曲が聴けるのではないかと思った。
 それで行くことにしたのだった。家族を亡くした悲しみは深い・・・。

 響のホールはステキな空間だった。福井駅からすぐ近くにこんなホールができたんだ・・・。
 縦長の階段状の300ほどの客席。狭いが雰囲気のいい空間だった。
 スタッフはいつもの銀クラの皆さんで、暖かい笑顔にほっとする。
 9月10日発売の坂元さんの新しいアルバム「天から降ってくる光 窓から射し込む音」と再販された「樹音」を買う。

 ステージにはいつものように2本のギター。
 ベージュっぽい色のスーツで決めた坂元さんが登場して、ライブは静かに始まった。
 「国境の南」・「出雲」「飾りじゃないのよ涙は」から。
 「出雲」は好きな曲なのだが、今日はテンポのいい曲には乗れない自分がいた。

 3曲終わって坂元さんのMC。
 「9月10日今日は新しいアルバム『天から降ってくる光 窓から射し込む音』の発売日。
 4年ぶりのアルバム。」
 ということで4曲目は新しいアルバムのタイトルになっている「天から降ってくる光 窓から射し込む音」。
 涙が出そうになるくらいいい曲だった。静かなしかし暖かさを感じるギターの音色。
 アルペジオに乗せてメロディーがゆったりとやさしく進行して行く。アコースティックの音色が心地よい。
 キターの弦を滑らせる指の音、懐かしいようなせつないような旋律、静かにゆったりと豊かな時間が流れて行く。

 「全県制覇ツアーは、同じ環境でやりたいので机・椅子・ギター2本・そして販売用のCDを持って行くので荷物が多くなる。自家用ジェット機がほしい・・・。
 リリー・下田悦郎・山崎ハコ・ふきのとう・村下孝蔵のギターを経て、1979年3月からさだまさしさんのツアーに参加。
 アコースティックツアーでさださんと二人でツアーに行くことも多かった。
 1996年からソロツアーを開始。Xのトシや門倉有希とも共演。
 ヨーロッパやスペインが好きでよく行く。
 アッシジは、イタリア中部の丘に建つ街で、聖サンフランチェスコの街。
 ギターはアコースティックとクラシックギター。」
 「アッシジの風」、静かなゆったりとした音、今日はゆるやかな穏やかな曲が心地よい。

 「木星が視えた夜」のライナーノートに書かれている、ヴォイジャー1号、2号の話。
 最近見つけた池澤夏樹さんの講演記録の中に同じくボイジャーのことが書かれていたので、少し長いが引用してみる。

 「これは人間ではないんですけど、ぼくが後ろ姿を見て、それからそれが送ってきてくれた映像について感動して、 一種懐かしいような、親しいような印象を持った相手として、ボイジャーという惑星探査装置というのがあったんですね。 もう20年ぐらい前に地球を離れて、1号と2号とあったんですけど、次々に星から星を巡って、だんだん太陽系の外へ向かって飛んでいって、その途中一つ一つ、例えば木星のそばをかすめる時は木星の写真をたくさん撮って、それを地球に電波で送ってくれる。ぼくたちはそれを見て、あ、木星ってこんな風なんだと。科学的情報をたくさん送ってくれるので、そのためにもちろん飛ばされたものなんだけれども、しかし、それとは別に、誰かがそこまで行って写真を撮ってきてくれた。撮って、写真だけ送ってくれて、本人は帰ってこない。  木星の次は今度は土星に行って、土星の輪をすぐ近くから写真を撮って、それも送ってくれる。
 本当に遠くの方に行って、電波でも何時間もかかる遠くの方へ行って、でもそこでちゃんと働いて、見たものを教えてくれる。 その電波が来るたびに、ああ、まだボイジャーは元気なんだなと思って、そういう気持ちで空を見るというか、はるか遠くへ飛んでゆくボイジャーのことを考える。  ぼくはそれがあの頃大変に好きで、一種の、なんていうのかな、人格があるような気がしたんです。
実際には途中の周りを回っている人工衛星に似たような形をしていて、太陽電池とか、アンテナとか、観測機のついた中心の部分とか、 いろんなものがくっついているただの機械にすぎないんだけれども、何か非常に友だちみたいな気がして。自分の小説の中で、 ボイジャーからのメッセージ、「これから木星に行きます。ぼくは元気です。いろんなものを見られて嬉しいです。 また写真を撮ったら送ります。でも、少し寂しいです」。ひとりぼっちですからね。何かそういう言葉が返ってくるような。 それがとても好きだったんですね。
 ボイジャーは、結局、星から星を巡って、次第次第に太陽系の外の方へ行って、天王星とか海王星とか、一番外側の星の写真を撮って、 その外側に何があるか。また出ていって、帰ってこない。最初から帰れるはずのない軌道に乗って飛んでいっているわけです。 まだどこかを飛んでいる。もう連絡のとれないところまで行ってしまった。でも、 ぼくたちはボイジャーが撮った写真を見ることができるし、彼ら2人、ボイジャー1号と2号がやってくれたことを覚えているし、 星から星を巡りながら写真を送ってくれた、その時の1枚1枚を見ていた感動を覚えている。」

  今日はバックに映像を映せるということで、美瑛の「ケンとメリーの木」などの風景。おまけにBUZZ(バズ)の「ケンとメリー〜愛と風のように〜」作詞:山中弘光 補作詞:高橋信之 作曲:高橋信之)を歌う坂元さん。日産自動車のスカイラインのコマーシャルで使われてい曲。
 「ニイル・ヤングのまねをして歌っているだけだけど・・・。」

いつだって どこにだって
はてしない 空を風は歌ってゆくさ
今だけの歌を
心はあるかい 愛はあるのかい
スプーンとカップをバッグにつめて
今が通りすぎてゆく前に
道のむこうへ 出かけよう
今が通りすぎてゆく前に

愛と風のように 愛と風のように



 綾部交流会館の外にある新宮晋さんの「水の星座」のオブジェ、福井の「風の扉」「魚志楼」「サライ」「マーレ」「ラーバンの森」・詩仙堂・銀閣寺・哲学の道などの何枚かの写真がスクリーンに映し出された・・・。
 「北の国から メインテーマ・蛍のテーマ・淳のテーマ・五郎のテーマ」 
 MCはさださんと富良野を訪れ、倉本さんの依頼で「北の国から」の曲ができたいきさつ、「北の国から」に出演したいきさつなど・・・。

 「水の星座・最後の円舞曲」
  「綾部交流会館の音がギターにとっても合っている空間でそこでのライブを楽しみにしている、新宮晋さんの「水の星座」の彫刻からイメージを膨らませて出来た曲のがこの曲。」
 「風の扉」
 「3年前、三国の「風の扉」でコンサートをしたが、その空間がとてもよかったので、次にくる時には曲を作ってくると約束してようやくできた曲。」
風の扉サライ
詩仙堂曼殊院の庭


 「あの日君と詩仙堂へ行った」 
 「奈良や京都はよく行った時期がある。奈良は仏像を京都は庭を見に行く。
 白川通り沿いの詩仙堂や曼殊院、銀閣寺、哲学の道をのんびり歩くのが好き・・・。」
 さださんの曲の間奏のようなフレーズ、甘くせつない感傷、劇的な激しさ、穏やかなやさしさ、ゆったりとした暖かさ、一曲の中に様々な想いを想起させてくれる曲だ。


 「風の旅団」
 名物にうまい物ナシと言われるが、ご当地ソングもイマイチという曲が多い。
 さださんの「城のある街」は四国丸亀を歌った歌だが、これは名曲。ご当地ソングにこんな良い曲・・・と思った。
 坂元さんの「風の旅団」も本当にいい曲だ。恵庭市の人たちはこんな良い曲を作ってもらえて幸せだなあ・・・(^_^)。
 「上を向いて歩こう〜ドラえもん」
 「ブルース サザエさん」
 「ブルースサザエさん」はとっても受けていた・・・。

 「ミストラル」
 シベリアで発生した冷たい風はヨーロッパを渡り、フランスのプロバンス地方を一月間停滞する暴風雨・・・。
 今回もまた華麗なる指先に、そこから紡ぎ出される音に聞き惚れてしまった。

 「空へ〜全ての命は空へ」
 昨年の暮お姉さんが亡くなり、今年の4月にお父さんを亡くされた坂元さん。
 「仕事があって最後の時にも間に合わなくて、空へと旅立つ頃にライブ会場でこの曲を演奏した。
 音楽家にできることは少ない、聞いてくれた人の心の中にある引き出しのいくつかをそっと開けてあげることくらいしかできないのかもしれない・・・。」
 人間は生まれてくれば必ずいつかは空へと旅だって行く日がくる。出合いがあればいつか別れの日がある。悲しみを心に秘めて人は生きていかなければならない。大切な人をなくした悲しみは深い。深い悲しみは、何によって癒されるのだろうか・・・。
 音楽・時間・家族・友人・動物・・・何だろう。
 アンコール
 「好き」
 「いつも何度でも」
 椅子を前に出して、生音での演奏の「いつも何度でも」だった。何回聞いても良い曲だなあ。

 300席ほどの会場がほとんどいっぱいだった。
 CDにサインをしていただく。
 その後、さなえさんと1階でコーヒーを飲みながら1時間ほどおしゃべりをして帰路についた。
 
 

    
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